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ヴィセンテ・モロンタさん招聘公演を終えて

8月11日、そして8月13日。ヴィセンテ・モロンタさんをベネズエラからお迎えして開催した二つの公演が、無事に終演しました。

このプロジェクトの始まりは、今から1年以上前にさかのぼります。

高木日向子さんから、「ベネズエラの友人であるヴィセンテ・モロンタさんが、日本を訪れ、日本で演奏してみたいと話している。どうすれば実現できるだろうか」とご相談をいただいたことが、すべての発端でした。

せっかくの、めったにない機会です。「それなら、やってみよう」と話が進み、リサイタルに加えてオーケストラとの公演も企画することになりました。編成やメンバーを考えているうちに夢はさらに広がり、「ここまでやるなら、新しいコンチェルトも書きたい」という構想まで生まれました。

そうして、今回のプロジェクトが“爆誕”したのです。


最初に頭を悩ませたのは、メインとなる公演の開催日でした。確保できたのは、8月13日。お盆の初日の夜です。

果たしてお客さまに来ていただけるのか。しかも、一般的には決して集客が容易とはいえない現代音楽の公演です。企画した当初は、先の見えない不安もありました。

それでも、この1年間、高木さんをはじめ多くの方々と広報や準備を重ねてきました。その結果、最終的には300名近いお客さまにご来場いただくことができました。現代音楽を中心とする公演として、大きな手応えを得られたのではないかと思っています。


清永あやさん、ヴィセンテ・モロンタさん、そしてオーケストラのメンバーは、いずれも素晴らしい演奏家ばかりでした。舞台上で生まれた音楽は、ときに衝撃的で、強いエネルギーに満ちており、大きな達成感を感じています。


この企画は、多くの皆さまのご協力なくして実現できるものではありませんでした。

神戸文化支援基金、アーツサポート関西からの助成、そしてクラウドファンディングを通じて寄せていただいた、たくさんのご支援。総額約200万円に迫る大きな事業を実現できたのは、支えてくださった皆さまのお力があってこそです。心より御礼申し上げます。


ヴィセンテさんは、母国ベネズエラを取り巻く厳しい状況のなか、大きく迂回しながら、片道約3日という長い時間をかけて日本へ来てくださいました。

それほどの長旅の疲れを感じさせない、明るくエネルギーにあふれたお人柄。そして、演奏の素晴らしさはもちろん、現代音楽のスペシャリストとして音楽に向き合う厳しさと真摯さにも、深い感銘を受けました。


ヴィセンテさんは英語以上にドイツ語とスペイン語がお得意です。リハーサルや日々のコミュニケーションでは、オーケストラでヴァイオリンを担当してくれた堀江恵太さんが、持ち前のドイツ語力で大活躍してくださいました。皆が恵太さんを頼りにしていたように思います。いつもながら、本当に心強い存在でした。


ヴィセンテさんには、ぜひまた日本へ来ていただきたい。今回ご一緒して、心からそう思いました。

そして、このプロジェクトをともに作り上げた高木日向子さん。ご自身にとっても入魂の公演だったことと思います。本当にお疲れさまでした。そして、公演の成功を心からお祝いしたいと思います。

INUI MUSIC SALONの国際招聘事業は、今年まだまだ続きます。

9月21日の音楽祭では、ドイツ・ドレスデンから、約25名で構成されるザクセン声楽アンサンブルをお迎えします。また12月には、ロシア出身のチェリスト、イリヤ・イヤシンさんをお迎えする予定です。まだ直接お目にかかったことはありませんが、これまでのやり取りから、優れたお人柄と高い知性を感じており、お会いできる日を楽しみにしています。


来年、どのようなプロジェクトが生まれるのかは、まだ分かりません。けれども、これからもさまざまな出会いと可能性を大切にしながら、広がりのある企画を作っていけたらと願っています。

8月11日、13日の公演にご来場くださった皆さま、ご支援、ご協力くださったすべての皆さまに、あらためて心より感謝申し上げます。

本当にありがとうございました。





 
 
 

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