7/19 ドヴォルザーク《チェロ協奏曲》— 祈りと郷愁の旋律をチェロで聴く、壮麗なるロマン派の結晶
- 乾 将万(Inui Masakazu)
- 6 日前
- 読了時間: 2分
2025年7月19日(土)、高槻城公園芸術文化劇場・太陽ファルマテックホールにて、
堀江牧生(チェロ)&乾将万(ピアノ)による《ドヴォルザーク:チェロ協奏曲 ロ短調》が演奏されます。
チェロのレパートリーにおいて不動の頂点とされるこの作品を、今回はピアノ伴奏版での演奏でお届けします。
フルオーケストラを背負わずとも、作品の核心に迫ることができるのは、熟練の演奏家による濃密な対話があってこそです。
◆ チェロという“声”が歌い上げる、魂の物語
この協奏曲は、1894年から翌年にかけて、アメリカ滞在中のドヴォルザークによって作曲されました。
交響曲第9番《新世界より》と並ぶ、ドヴォルザーク円熟期の傑作です。
全3楽章からなり、第1楽章ではチェロが低音からじわりと浮かび上がり、深い感情を湛えた主題が雄大に展開します。
第2楽章は穏やかで抒情的な世界。作曲者が愛情を寄せた義理の姪の死を追悼する要素が含まれており、
まるで祈りのように静かに語られます。
そして第3楽章では、民族的なリズム感や舞曲風のモチーフが登場し、
チェロがオーケストラを牽引するように情熱的に駆け抜けます。
◆ ピアノ伴奏による協奏曲演奏という選択
本作品は本来オーケストラとの共演を前提に書かれたものですが、ピアノ伴奏による演奏には独自の魅力があります。
音の対話がより明瞭になる
表情のニュアンスが繊細に届く
室内楽的な親密さが際立つ
ピアニストが担うのは単なる“縮小版”ではなく、オーケストラ全体の響きを一手に担う構造的責任。
チェロとの呼吸を密に合わせながら、空間全体を音で満たす表現力が問われます。
堀江と乾、長年にわたる共演で培ったアンサンブルの強さが、その挑戦を可能にします。
◆ 郷愁、愛、誇り――ドヴォルザーク音楽の核心
この協奏曲には、ドヴォルザークの音楽に特有の要素——
ボヘミア民謡への愛着、家族への思慕、祖国への誇り、そして自然への感謝があらゆる旋律に込められています。
激しく、しかし決して攻撃的でなく、豊かに歌いながらも沈黙を恐れず。
そんなチェロならではの“人間の声”のような響きに包まれる一時間を、ぜひご体感ください。
公演情報
📅 2025年7月19日(土)
🕥 10:30 開演(10:00 開場)
🏛 高槻城公園芸術文化劇場 太陽ファルマテックホール
🎻 演奏:堀江牧生(チェロ)&乾将万(ピアノ)
🎟 入場料:1,500円(中学生以下500円)|全席自由|未就学児の入場不可
📞 チケット・お問い合わせ:INUI MUSIC SALON 080-4761-6820

Comentários