6/28 ブラームス ピアノ三重奏曲第1番|延期を超えて奏でる、円熟の室内楽
- 乾 将万(Inui Masakazu)
- 6 日前
- 読了時間: 3分
2025年6月28日(土)、茨木市市民総合センター(クリエイトセンター)にて、ピアノ・ヴァイオリン・チェロによる珠玉の室内楽公演がついに実現します。
本公演は、2024年に予定されながらやむを得ず延期となったものの、関係者の調整と準備を経てついに開催されることとなりました。
“満を持して”の上演を迎えるにふさわしく、演奏されるのは**ブラームスの傑作《ピアノ三重奏曲第1番 ロ長調 op.8》**です。
◆ 初期のロマン、晩年の風格 ─ ふたつの時間が共存する傑作
このピアノ三重奏曲第1番は、ブラームスの室内楽作品の中でもとりわけ異色の存在です。
初稿は1854年、彼がわずか20歳の時に作曲され、のちに1890年、57歳で大幅に改訂されました。
つまりこの曲には、若き日のロマンと晩年の熟練が共存しているのです。
「ブラームスは二度この曲を書いた」と言われるほどの変容を遂げた本作には、情熱と構築美、抒情と対位法が豊かに織り込まれており、
ピアノ三重奏という編成の持つ力が、まさに極限まで引き出されています。
◆ 各楽章の魅力を辿る
第1楽章(Allegro)
冒頭、チェロによって静かに奏でられる主題は、ブラームスらしい寂寥と情熱を湛えています。
この主題がヴァイオリンとピアノに受け渡されながら拡大していく様は、三者の繊細な呼吸を感じさせ、聴く者を物語の世界へと導きます。
第2楽章(Scherzo)
切れ味の鋭いリズムと大胆なアクセントが魅力のスケルツォ。
中間部の抒情的なトリオとの対比が鮮やかで、室内楽における緊張と緩和の妙が味わえます。
第3楽章(Adagio)
深く内省的な楽章で、哀しみに満ちた旋律が静かに語られます。
演奏者それぞれが感情の深層に降りてゆくような、静謐な美の極みともいえる場面です。
第4楽章(Allegro)
ダイナミックな推進力に満ちた終楽章。
劇的な転調と構造美が展開し、ブラームスらしい堂々たる終結がこの傑作にふさわしいフィナーレを与えます。
◆ それぞれの音が響き合い、支え合う室内楽の世界
ピアノ三重奏という形態は、単に三者が共演するというだけでなく、対等にして対話的な音楽の形です。
本公演では、樫本樹音(ヴァイオリン)、樫本瑠音(チェロ)、乾将万(ピアノ)の三名が、濃密なアンサンブルでその魅力を余すところなく伝えます。
延期というハードルを超えて実現するこのステージに、どうぞご期待ください。
公演情報
📅 2025年6月28日(土)
🕥 10:30 開演(10:00 開場)
🏛 茨木市市民総合センター(クリエイトセンター)
🎶 演奏:樫本樹音(ヴァイオリン)/樫本瑠音(チェロ)/乾将万(ピアノ)
🎟 入場料:1,000円(INUI MUSIC SALON会員価格:800円)
📞 チケット予約・お問い合わせ:
INUI MUSIC SALON 080-4761-6820
茨木市文化振興財団 072-625-3055

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