ザクセン声楽アンサンブル
- 乾 将万(Inui Masakazu)

- 15 分前
- 読了時間: 5分
おにクル de 音楽祭 2
ザクセン声楽アンサンブル来日公演(指揮:Matthias Jung)
2026年9月21日(月・祝)15:00|茨木市「おにクル」ゴウダホール
ドイツの音楽都市ドレスデンを拠点とするザクセン声楽アンサンブルが、2026年に茨木市へ来日します。バロックから現代まで、透明な響きと緻密な音楽づくりで高い評価を受ける声楽アンサンブルを、ゴウダホールの響きで堪能できる貴重な公演です。
指揮は創設者マティアス・ユング(Matthias Jung)氏。
■ 公演概要
日時:2026年9月21日(月・祝)15:00
(16:30終演予定)
会場:茨木市文化子育て複合施設 おにクル・ゴウダホール
料金:
・指定席 1,900円
・自由席 1,500円
Sächsisches Vocalensemble(ザクセン声楽アンサンブル)
ザクセン声楽アンサンブルは、1996年に指揮者マティアス・ユングによってドレスデンで創設され、短期間にドイツ国内はもとより国際的にも高く評価される、傑出した室内合唱団へと成長した。メンバーの大半がドレスデン音楽大学の卒業生やドレスデン聖十字架合唱団のOBで占められている。レパートリーの中心は、ハインリヒ・シュッツからヨハン・セバスティアン・バッハに至る時代の音楽にあるが、ドレスデン宮廷の隠れた作曲家の作品や、ヨハン・アドルフ・ハッセ、ゲオルク・フィリップ・テレマン、アントニオ・ロッティなどの、中部ドイツの音楽環境の中で生まれた作品をも定期的に上演している。また、現代の作曲家による作品の初演も数多く手がけている。2009年5月には「プラハの春」音楽祭に出演して絶賛された。同年9月には初来日し、東京、大阪、神戸、大津でコンサートとワークショップを開催。その至純のアカペラで多くの聴衆を魅了した。創設以来、ドイツ各地の公共放送と収録契約を結び、またライプツィヒ・バッハ・フェスティバル、ドレスデン音楽祭、ゲッティンゲン国際ヘンデル・フェスティバル、ラインガウ音楽祭、ハレ・ヘンデル音楽祭などの著名なフェスティバルに招かれている。国際的には、とくにバッハ作品の解釈によって注目を集めている。バッハのモテット集のCD収録は、2002年、権威あるカンヌ・クラシック音楽賞を受賞した。その他、シュッツ、テレマン、ロッティ、ハッセ、ホメリウス、メンデルスゾーン、シューマン、パルメリなどCDリリースも35枚に上り、幾多の賞を獲得している。2019年に続き5度目の来日となる。
Leitung /指揮:Matthias Jung(マティアス・ユング)
1964年にマグデブルクで生まれ、ヴェルニゲローデ放送青年合唱団に所属したのち、ワイマール音楽大学で合唱およびオーケストラの指揮を学んだ。ワイマール・ヴォーカル・コンソートを創設し、数々の国際コンクールで受賞。1991年にはドレスデン聖十字架合唱団の指導を引き受け、1994年から96年まで空席となった同合唱団の音楽監督を若くして代行した。この時期に同合唱団は、ユングの指揮によってドイツ・グラモフォンへの録音を行った。ユングは、ベルリン放送合唱団、ケルン放送合唱団、北ドイツ放送合唱団等の著名なアンサンブルと契約を結び、ヨーロッパ各地やアメリカに客演して多くの成功を収めている。2001年にはドレスデン芸術文化奨励賞を授与された。2009年、2011年、2016年、2019年に続き5度目の日本ツアーを率いるほか、2012年、2015年にはびわ湖ホール声楽アンサンブル定期を指揮。バッハ『ヨハネ受難曲』では追加公演も完売し、「作品の構造をつかむユングの本質直観は中部ドイツの音楽的水脈に汲んだもの。他の追従を許さない」(日経評)と絶賛された。
[予定プログラム]※演目が変更となる場合があります。
第1部 バロック期のドイツ合唱音楽(中部ドイツ)
1.Teil Deutsche Chormusik des Barock aus Mitteldeutschland
Johann Sebastian Bach / Komm,Jesu komm(モテット「来たれ、イエスよ、来たれ」)
Heinrich Schütz/ Deutsches Magnificat(ドイツ・マニフィカト、「我が心、主を崇め)
Johann Ludwig Bach/ Das ist meine Freude(これぞ我が喜び)
Georg Philipp Telemann/Ein feste Burg(神は我がやぐら)
Johann Sebastian Bach / Singet dem Herrn ein neues Lied(モテット「主に向かって新しき歌をうたえ」)
第2部 ロマン派から現代までのヨーロッパ合唱音楽
2. Teil Europäische Chormusik der Romantik bis zur Gegenwart
Robert Schumann / Es war ein König von Thule(トゥーレの王)、Heidenröslein (野ばら)
Felix Mendelssohn Bartholdy/ Die Frauen und die Sänger(女性と歌手)、Herbstlied(秋の歌)
Hugo Wolf/ Resignation(レジグナツィオン/諦念)
Johannes Brahms/In sriller Nacht(静かな夜)、Abschiedslied(別れの歌)
Hubert Parry/ My soul is a country(わが魂はひとつの国)
Benjamin Britten/ Flowersongs I–III(フラワー・ソング集 第1〜3)
Pēteris Vasks/ Plainscape(プレインスケープ/平原の風景)
[ザクセン声楽アンサンブル招聘に寄せて]
私が最も大切にしているザクセン声楽アンサンブルが来年、創立30年を迎えます。2009年の初来日以来4回の日本ツアーを企画し、全国で成功を博してきました。2019年以降、コロナ禍や戦争などが重なり、来日を控えてきましたが、私自身は昨年、一昨年とドレスデンでの大晦日コンサートに赴き、ヘンデルの『メサイア』やモンテヴェルディの『聖母マリアの夕べの祈り』を心ゆくまで堪能しました。いまや絶頂期を迎えた世界に誇る室内合唱団であることを再認識するとともに、ぜひとも30周年記念として日本ツアーを行いたいという指揮者ユング氏の強い思いを受け止めました。完全非営利の国際交流事業ですので、各地の合唱団とのワークショップや合同演奏、日独の市民交流をとても大切にしています。ユング氏や歌手たちの熱い思い、そして、これまで出会った数万人に及ぶ日本の聴衆の感動と喜びを心の糧に、みなさんのお力添えを得て5度目の日本ツアーを必ず成功させたいと願っております。(藤野一夫)
藤野一夫:神戸大学名誉教授、兵庫県立芸術文化観光専門職大学名誉教授。日本文化政策学会前会長、(公財)びわ湖芸術文化財団理事、(公財)神戸市民文化振興財団理事、(公財)尼崎市文化振興財団理事ほか、国や自治体の文化審議会委員等を多数兼任。著書に『基礎自治体の文化政策』『みんなの文化政策講義』『地域主権の国 ドイツの文化政策』『ワーグナー事典』『ワーグナー 友人たちへの伝言』など。





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